流産から9日目、夫婦仲が戻る。
朝モヤモヤ考えていた、もう私達夫婦だめかも、どうしようという、思いをもちつつ、家に帰ったという続きから。
部屋に戻ると、彼は知り合いの態度にイライラしていた。
私はその前の晩あれだけワーワー騒いで、次の朝だったし、彼ももう少し夫婦仲について悩んでいるのかと思いきや、ぜんぜん関係ないことに心を向けていた!
あら、私のこのモヤモヤはなんだったの、と肩透かしを食らう感じとなった。
その後日帰りで箱根の温泉に行く予定だったのでそのまま車で向かった。
魔女の宅急便を聞きながら、なぜか穏やかな空気が車内に流れていた。
私は朝思ったことを、遠回しにぼそぼそ話した。
「天上天下唯我独尊って、私にピッタリの言葉なの」と。
「陰陽師の先生って、スピリチュアルじゃないよね、仏教ベースだよね、あの先生は、」と、私は自分がいいアイデアを思いついたかのように、話していた。
「この世のすべての一人一人が、尊重されるべき存在。なぜなら、一人一人に使命があってこの世に産まれてきたから、って意味って勝手に解釈したんだけど、、、」
「陰陽師の先生がさ、お互い、そのままでいいじゃないといったじゃない?あれって、たしかにそうだよね、」
だって、そのままの姿ではじめ出会って、縁あって結婚したんだから。
でも人と言うのは欲深く、相手を思い通りにしたくなる。そうじゃなくちゃ愛されていないと勝手に思い込む。
自分のこの感情こそが、正義で正しいのだと思ってる。
でもそれは、勝手な妄想。
その人それぞれに使命があって、自分のためだけに相手がいるわけじゃないのに。
そんなことを思いながら、車内でユーミンの曲を歌いながら、ケンカもなく、箱根についた。
温泉はほっとさせるし、いつものウナギは美味しいし、日本酒はほろ酔いで、気分が良かった。
旦那はすぐ酔っ払って、甘えてきて、私のことを好きで愛してるといった。ハグしてキスして、「やっぱりいつもハグしなくちゃだめだよね。」と旦那はいった。
たしかに触れ合うことが、夫婦を続けていくための特効薬だ。NHKでもいっていた。
陰陽師の先生にも助けられ、いろいろ考えさせられ、流産でホルモンバランスも悪いし、視野は狭くなってると感じたものの、大切な、ことに気づかされた。
そして今日は穏やかな時間を過ごしている。
何か小さな山でも超えられたのかな。