なぜ不倫終了の1年後に妻が慰謝料請求したのか?
それは、ひとつにフラッシュバックの影響である。
悪いことが解決したかのように見えても、人間は強いショックを受けると時間とともにいろいろな過程を経て、心の傷をいやすものだ。
不倫が発覚し、ルール違反をした二人は謝罪し、問題は解決されたのではないか?と加害者は思うものだが、被害者の心の傷はそうはいかない。
よくいじめをした方はすぐにそのことを忘れるが、いじめられた方は何十年も覚えているという。
大げさだけど、殺した方と殺された方の違いだ。
別に腹を包丁で刺されなくても、心を刺されればだれだって心が重症をおう。
目に見えないだけに厄介だ。
不倫問題は終了を迎えたものの、心を傷つけたれた妻は、問題解決後も、知らないうちに傷が悪化してる場合がある。
見えないだけに厄介だし、傷つけた方はその傷が見えない為、悪気がなかったといって知らないふりができる。
若い頃に痴漢にあった女性は、身体を傷つけられたわけではないが、心に男性への恐怖心が残ったままでいる。
一人の欲求に従った見ず知らずの男性の為に、その女性はずっと男性への恐怖心をどこかで感じたまま、自分が弱い女性だと思い続けなくてはいけない。
不倫も同じで、自分の一番身近な将来を誓った相手が、知らない人とタッグを組み、自分をズタズタに傷つけることを知る。
一番身近な人だからこそ、恐怖や不安がつきまとい始める。
そのショックは大きければ大きいほど、心に深い傷を残す。
フラッシュバックもその一つだ。
問題は解決した。
もう何もない。
なのに突然精神的に追い詰められ始める。
最悪な瞬間だ。
それが、一生つきまとう。
どんなに、慰謝料をもらおうとも。
どんなに相手がもう、何もしないと約束したとしても。
その現実を加害者の二人は知らない。
妻は1年後、突然フラッシュバックに襲われた。
自分でも忘れているはずのことだった「コト」に、打ちのめされるのだ。
言いしれぬ恐怖とどん底感。
何もないはずなのに、悲しみで涙が出てくる。
そこから抜け出したい妻は、あらゆる過去との精算を始める。
頑張って記憶をなくそうとする。
それが一番いいと。
問題がなかったことにしたいのだ。
夫婦の今までの結婚生活を全否定されたのが不倫なら、問題解決したあとの記憶だけにしたいわけだが、過去の記憶が邪魔になり、思い出の写真をすべて捨てる。
無かったことに、形だけでも、したいと思う。
そして、もし今まで不倫相手に慰謝料請求してなかった場合、実行されるのだ。
これは過去との精算。
慰謝料をもらうことはお金に困っているわけではない。
お金を相手から奪うことで、相手を痛めつけるのが最終目的ではない。
目的は慰謝料が払われて示談という形をとることで、もう不倫相手を責めることが出来なくなるのだ。
それによって、諦めがつき、相手の女性を忘れる作業に入らざるおえないわけだ。
妻が、過去との精算をフラッシュバックによって行うことは、ある意味、これから前に進もうとする大切な行為だと思う。
心の傷の深さは本人でさえ見えない、わからない。
でも、それは見えないから、注意しなくてはいけない。
もし不倫をしていた場合、この妻の心の傷を認識してないと、まさか忘れた頃の1年後に、自分が慰謝料請求されるなんてとビックリするだろう。
別に妻は計画も自覚もしてないない。
ただ心の傷やトラウマが、浮き出てきて、それを対処しようとする行動をしているにすぎないのだ。
表面上だけ、いい、悪い、終わった、解決したでは、ロボットである。
人間は強く、そして弱い。
なんでも「はい!不倫問題解決!」とはならないのだ。
なぜなら、目に見えない傷を抱えた人間が一人いるのだから。